2007年08月29日

PEDAL

 と言っても、今回はパーツの話ではなくてDVDの話。 某レンタルショップ “タツヤ” のキャンペーンだったのでいろいろ借りてきました。 
 その中でちょっと気になったので借りたのです。 
まー 個人的な感想ですが、あまり気にしないでね。

 
pedaljack.jpg

*******
 内容はNYでメッセンジャーとして生活している人たちのドキュメンタリー。 特に焦点が当てられているのが


「メッセンジャーとして自転車に乗る目的」


 のような気がします。 映像で見るNYの街中は車で溢れ、その間を走り抜け配達しているメッセンジャー達。 
 それはまさに危険と隣り合わせの仕事であり、一日にこなす量もとても多く精神的にも肉体的にも大変な労力を要する職業である。

 
 そんな仕事を何年も、それこそ何十年も日々繰り返しているメッセンジャーは一体何を思って働いているのか?


 「自転車で走り回ることが楽しい、これを続けているだけでいつまでも子供のままでいられるんだ。」


 「世界に信仰を広めるのが務めなのさ、メッセンジャーはその手段の一つに過ぎない」


 「俺こそがNYで一番早くてすごいんだぜ、警察は道路を自分たちの物だと言ってるが本当に仕切っているのは俺たちだ」

 
 メッセンジャー達の生活はとても良いとは言えない、むしろ安定しない生活のために寝床を探して、電車の通る薄汚い地下鉄の小屋で寝泊りする人さえいる。
 
 自転車に乗るためにメッセンジャーをするのか、生活のためにメッセンジャーをするしかなかったのか。それは自分とは違う他人の尺度によって出た答えであり、そこに他者が口を挟むことは無意味である。 


 しかし彼らは大きな連帯感によって繋がっている。 メッセンジャーとして、自転車乗りとして困ったときには助け合ったり、尊敬したり、より助け合うために新たな組織を作るものもいる。 


 彼らや彼女らはそうして自分達のアイデンティティーをそれぞれで持ち合わせて日々メッセンジャーを続けているが、彼らの走る道路には彼ら以外の、 “別の組織” も存在するわけである。


 

 このDVDの内容で、彼らの持つアイデンティティーによって引き起こる周囲との摩擦ももう一つの大きな柱である。
 

 メッセンジャーは一日に多量の仕事をこなさなければならない、だがそのためには最短ルートを使うだけでは仕事をこなし切れない。そのため彼らは違法行為なども行う。


 車間のすり抜けはもちろんだが、信号無視、逆走など手段を選ばない者もいる。
そういった自転車を見て反感を抱くのは誰か? 

 NYといえばイエローキャブが有名である。 タクシードライバー達は狭い車の中で渋滞の多い道を走るのでイライラしている。 そこにすり抜けるメッセンジャー達を見て何も感じないはずがない。
 さらにメッセンジャー達も急停止したり、タクシーが幅寄せしたりすると唾を吐きかけたり。 

 あるタクシードライバーは
 「あいつらメッセンジャーとタクシーは戦争してるんだよ、 やられたらやり返す。  あいつらは我が物顔でむちゃくちゃに道を走っていい気になっているが、いきなり飛び出してきた時には、ブレーキしたって手遅れさ」


 ピストバイクなら急には止まれないし、実際に車や人に突っ込むメッセンジャーも多い。 命を落とす事故になることもある。 
 彼らは仕事として自転車で街中を走り回っているが、車だって同じだ。


 これに加えて、警察も増加するメッセンジャーの違法行為に対し取締りをしている。 しかし警察の取り締まる部隊も自転車であり、信号無視を繰り返し猛スピードで逃げるメッセンジャーを捕まえるのは困難である。
 メッセンジャーにとって警察に捕まると、稼ぎがパァになるので本気で逃げるためにより危険な手段をとる者もいるし、これによって事故を起こす者もいる。
 

 こうした冷戦状態が続く彼らの環境だが、仕事以外でも走る。
公道でのレースを自分たちで開き、仲間内での最速を競ったり、新たな繋がりを作ったりしているが。もちろん申請していないレースであり事故は起こる。 特にそのレースでは使用するバイクには「ブレーキレス」の条件が課されることがほとんどのようだ。
 
 実際、レース中の映像でチェックポイント通過時の封筒を取りそこね、車に追突した人もいた。


 こういった非公式レースが日本でも増えてきているらしい、これついていろいろな波紋が広がっていることも知っている。社会的にこの問題が広まったとき、いわれのないライダーやレーサーが偏見の眼で見られるのは避けられない。

 日本とNYは違う、住んでる人も土地も。 それによって事故が起き、こういった自転車あるのだと、どう弁解しようがその人には初めから日本人の意識としての自転車しかないので無意味である。異文化の感覚を持ち込むとき、周囲と自己との “ズレ” が無いケースはほぼありえない。

 だがメッセンジャーとしてだけではなく、自転車乗りとして

「自転車は楽しい、やめられないんだ」


 と言う意見もある、ウチもそうだ。 多分自転車無しの生活を想像するとなんてつまらないんだろう、、、自転車でただ走るだけで楽しいんだ。

 「いつまで自転車に乗るんだ?」

 そう問われた時

 「乗れなくなるまでさ」

 そう答えた人の意見には強い共感を持った。
そういった意見は尊重されるべきであると思うし、それが個人の範囲内で納まるなら問題ないと思う。



 だが社会で生活する、別の人と同じ場所で生活する場合は周りの事も考えないといけない。 ほかの人が自転車を趣味としている人の当たり前の感覚や考えを理解できないのと同じように、その時自分も周りの人の考えを理解していない場合があるためだ。

 逆に、理解していてその行為を行っているのならもう「自己責任」ですべての問題を解決する覚悟があるのだろう。 意識して違法行為を行って、実際に罰されるにいたる時。 しっかり責任を持ってほしい。
 

 なんだか後半はちょっと脱線しているような;
このDVDは ピストバイク・ムーブメント と名前であるが、ほとんど社会の中で自転車に乗り続けてそれによって生活する人たちの日常と、その日常に潜む影を取り上げたドキュメンタリー。

 楽しいだけでは仕事にならない、刺激や爽快感を求め、いつでも自転車で走り回っていたいメッセンジャー達の明るいところも暗いところもこの作品で少なからず知ることができる。


 将来趣味を仕事にするのか、それとも切り替えて続けていくのか、はたまたいっそ切り捨てるのか。
決断を下した人も、まだその決断が下せない人も。 
 そういったことについても、この作品は見る人だれもが心の奥に持っている不安や疑問に訴えかけてくるだろう。


 おしまひ
by シン5
posted by 819819 at 00:13| 沖縄 ☔| Comment(2) | TrackBack(1) | 自転車全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
イイですね。タツヤには置いてあるんですか。
私が借りている店には置いていないでしょう。
ショーン・オブ・ザデットも置いてなかったし。
 
”PEDAL”は地味というイメージがありましたが、ドキュメンタリーなんですよね。
なんか観たくなってきました。
Posted by こぶ at 2007年08月29日 21:06
 もちろん“TU○YA”ですけどね; 割と新作のほうに置いてあったので探しやすいかもしれません。
 地味というイメージは、
 「ピストバイクの楽しみを見つけるための、ライディングや扱い方を知るために」
 ということが目的ならそうなりますね。ドキュメンタリーとして見ると色々考えさせられて面白いですよ。
Posted by しん5 at 2007年08月30日 00:14
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Weblog: 小太りMTB
Tracked: 2007-09-21 21:37
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